スペース・イサンは京都市東山区にある客席数60席程度の小劇場です。

2016.4.1
年度のはじめに際して

 前回の投稿からずいぶんと間が空いてしまいました。実は先日スペース・イサンの運営を委託される約束が更新されたところで、オーナーとの話し合いでそのように決まったところです。わたしがスペース・イサンの運営に携わり1年と半年になります。今年の9月末で二年の契約の期限が迫っていたのでした。
 アトリエ劇研は来夏に閉館が決まり、西陣ファクトリーガーデンはすでに無くなっています。これからの京都では新しい劇場ができるよりも無くなっていくことの方が多くなるだろうと思います。いま京都で活動している人もあまり知らないと思いますが2007年にくるみ座のアトリエが閉じたところからそういう流れは始まっていたと言えるのかもしれません。そうしたなかでスペース・イサンの運営をオーナーに申し出て任せていただいたのでした。
 けれどもその運営はまだまだ至らない点が多いと思っています。利用される団体にご迷惑をおかけすることもありました。こうした点を少しずつでも改善していきたいと思っています。ただスペース・イサンでは諸事情により例えば長期的視野を持つような企画を劇場として打ち出すことが困難な状況です(閉館が予定されているということではありません)。アトリエ劇研など他の劇場の状況を見つつ、当館は当面、地元の劇団やアーティストが作品を発表する場としてその空間を提供することを主に、そのサポートを続ける方針で運営してまいります。
 もちろん演劇は劇場でなくてもできます。野外はもちろんのこと、小さな喫茶店でも美術のギャラリーでも個人の部屋でも、むしろ演劇が上演される場所が劇場になるという言い方の方が正しいのかもしれません。ただ舞台芸術のために作られた劇場だからこそできることは多くあるわけで、閉じた空間のなかで作品を上演する醍醐味や苦しみを味わいながら続けることは、舞台芸術の創作を追求しようとする時には必須なものだとわたし個人は考えています。そうした場にスペース・イサンがなれればと思っています。
 今後ともスペース・イサンをよろしくお願い申し上げます。

2014.12.15
来年もよろしくお願いします。

 12月13日(土)と14日(日)のkatacottsさんの公演をもちまして、スペース・イサンの年内の公演はすべて終了しました(壱坪シアタースワンは年末も公演があります)。
 この秋10月にはプロデューサーの就任があり劇場運営のカタチが変わることになりました。料金やホール利用の申し込み手続きの変更など、今まで当劇場をご利用いただいてきた方には戸惑わせることもあったかと思います。申し訳ございません。
 年明けからは劇場の運営体制を整えて劇場の独自色も出していきたいと思っています。どうぞ来年もよろしくお願いいたします。

2014.11.8
劇場プロデューサーからのご挨拶

 このたび2014年10月より、スペース・イサンと壱坪シアタースワンの二つの劇場のプロデューサーに就任いたしました、田辺剛と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 この劇場はわたしが20代半ばの頃、生まれて初めて書いた脚本を(5分くらいのものですが)上演し、当時やっていた劇団のホームグラウンドでした。釘の打ち方も知らないような駆け出しのわたし(たち)はここでいろんなことを学びました。そこへ再びプロデューサーという立場で戻ってくることになるとは当時は思いもよりませんでしたが、この劇場が、かつてわたし自身がそうであったように、京都や関西で舞台を志す若い方たちがその一歩をここから踏み出しさまざまな試行錯誤を重ねる場所になればと思っています。
 また、この劇場はJR京都駅から歩いても行ける(15分あまり)ところにありますが、この劇場とJR京都駅のあいだの地区では、向こう10年をかけて京都市立芸術大学が移転することになっており、近い将来この近辺が芸術の町になるだろうと思われます。その端っこにこの劇場は存在することになるのですが、舞台芸術の分野から将来の町の賑わいの一助になるべく尽力してまいります。
 劇場としては19年ほどになりますが、これからはさまざまな価値を生み出していく場所として再出発を図ることになります。どうぞよろしくお願いいたします。

[プロフィール]たなべつよし●劇作家、演出家。劇場「アトリエ劇研」ディレクターを経て、劇場「スペース・イサン」「壱坪シアタースワン」プロデューサー。1975年生まれ。福岡県福岡市出身。現在は京都市に在住し、創作活動を続けている。2005年に『その赤い点は血だ』で第11回劇作家協会新人戯曲賞を受賞。2006年秋より文化庁新進芸術家海外留学制度で韓国・ソウル市に一年間滞在し、劇作家として研修する。2007年に『旅行者』で第14回OMS戯曲賞佳作を受賞。〈リンク〉LinkIcon下鴨車窓